徒然なりまする。

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笙子について(マザーグール)

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マザーグール 5 (リュウコミックス)

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29話も更新されてます!

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ネット上では笙子がラスボス的な扱いもされてるようです。

というわけで、自分なりにあれこれ考えました。

で、笙子の正体は自分は次のように予想します。

 

他人の心を読み取るエスパー。しかし、今回の事件とは関係がない。

 

というものです。まあ、これみよがしに事件の首謀者の様な描写があることから、そのように思われ勝ちですが、自分の予想ではブラフかなと。あくまでエスパーなだけで、別に化け物を操ったりとかそういうことはしていないと思います。

6話

ただ、説明しにくいところもいくつか出てきます。例えば、6話。

笙子は少年と共に離れた場所に立ち、学院生が食い殺されるのを傍観しています。ここで、なぜ笙子だけ襲われなかったのか説明できません。笙子が化け物を操っているのなら、説明ができますが。

いくつか考えました。

 

①少年と手を繋いでいたから

少年の正体については一度この記事で述べました。↓

doatamakita.hatenablog.com

要するに神話の中の、成長を拒否した少年だということですが、この少年と手を繋いでいる間は化け物に襲われないということです。だって、なんか少年不思議なパワー持ってそうですし。何故かはわかりません。細かい理屈は後にします。まあ、割と漫画とかでよくあるパターンではありますよね。

 

少年が化け物に対し、笙子だけ襲わないよう操作した

前述の通り、少年は何百年(?)と暮らしてきた島唯一の生き残りですから、まあ化け物共を使役できても不思議ではないかと。

じゃあ、何で少年は笙子だけ襲わないようにしたか?という疑問が出てきます。そこはまあ、テレパシーで上手いことやりとりしたんだと思います、多分。

 

笙子が化け物を操って自分だけ襲わないようにした

これは正直考えたくない線です。というのは、これは私の最初の予想に反しますからね。でも、可能性としては捨てきれないですね。

で、その線で考えると、笙子は実は島の関係者という可能性が強くなってくると思います。しかし、今のところ笙子が島出身者であることとか、島に関係する人物であるという描写は確認できません。自分の確認する限りではその伏線もありません。幼少期は学院生として普通に暮らしていたようですしね。ただ、逆に、笙子が島関係者ではないことを証明する証拠も今のところないのも事実です。

 

まあ、私は③はないだろう、と睨んでいるのですが。

ちなみに自分の予想は①です。前記事でも書いた通り、少年は生涯の伴侶を欲しがっています「少年と手を繋いでいるということは、その人物は伴侶である。」このように化け物が判断し、攻撃をしなかったということです。化け物にそんな思考力あるかが疑問ですけれど。

 

22話

次の話です。笙子の人生についてスポットを当てているのが22話

恐らく生まれたときからテレパシーの使えた彼女は、周囲の人物の心の内を読み取り、彼らが喜ぶよう話をし、振る舞っていたと思われます。で、その原因と思われるのが母親の「呪い」です。母親は笙子に「何かを選択したり行うことは仕える人間がすること。(中略)あなたの役割は仕える人間を承認し、喜びを与えること」と言いました。

そして笙子はその通りに生きていきます。是マシーンということですね。決して相手の言うことを否定せず、ありがとう、はい、そうね、みたいな感じのことしか喋らないということです。

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それは良いことなのか、不幸なのか、現時点ではわかりません。ただ、彼女は人が迷ったり悩んだりしている時に一番欲しい言葉を与え、その背中をそっと押すのです(テレパシーが使えるため)。そして、その背中を押すということを人生の中でずっと繰り返してきました。そのため、ものすごい筋肉(比喩的な意味)がついて、どんな化け物の背中も押せる化け物になった、ということらしいです。

しかし、自分はここも引っかけのような気がします。化け物というのは笙子自身ではなく、普通の人間の中にある狂気とか凶暴性のことだと思うのです。笙子は「是!」とだけ言うようにプログラミングされているので、例え凶暴な人の行動を後押ししても、笙子自身が悪いのではなく、行動をした本人が悪い…

しかし、反論も多いと思います。結果に対する責任という意味では、笙子自身も加担しており悪いのではないか。民衆を扇動した宗教指導者は悪くないのか、という感じで。

それでも、そういった神がかり的な人物一人に最終的に全て責任を負わせても、結局また同じことになると思います。結局、一人ひとりが自分の中にある凶暴性やら狂気やらに日々向き合って生きていかなければならない…

フロムの自由からの逃走を見たからというわけではありませんが、そういうことだと思います。実際、学院生同士で殴り合いとか殺人とか作中で行われているので。

多分、作者は最終的には前述の「一人ひとりが云々」という結論に持っていかせたいという気がします。なんとなくですが。

そういう諸々の意味込みで、彼女はブラフかなあ、と思いました。この予想が外れないことを祈ります。

 

笙子の最後は?

ところで、こういう是マシーンというキャラクターは個人的には新鮮です。前述の通りなら、「笙子を生かしておくべきかどうか?」ということも、もしかしたら佳境に入ればキャラクター同士で話し合われるかもしれません。人の心を読み取ることができ、そのカリスマ性ゆえに簡単に人を扇動できる(厳密な意味での扇動ではないのでしょうが)……

そんな人物を生かしておくべきか、殺しておくべきか。もしかしたらそんなことも考えられ、最終的には意図的に作中の誰かが彼女を抹殺するかもしれません。